
浅野 茂(あさの しげる)
パリ在住の写真家
幼いころ両親を亡くし、いつしか自分の存在を後世に残したいと願うようになる。東京デザイナー学院で学ぶうち、絵画に挽かれてパリ行きを決める。
79年渡仏、路上でキャンバスを立てて描いていた時、ある写真家が「こんな世界になるよ」と言ってカメラをのぞかせてくれた。そこには絵とは違う世界があり、自分が求めるものにぴったり答える新しい視覚と感動があった。
この時、写真家浅野茂が生まれた。
カメラ、現像、すべて自分でこなす。一枚一枚絵を描くように現像する。
ある雨の夜、暗い建物からパリの街に一歩踏み出した時、その路上に広がる光の乱射と影が目に飛び込んで動けなくなってしまった。わずかな水面に映る光は、芸術家浅野茂の魂を深く揺さぶり魅了した。以後私は、パリそしてロンドンの光と格闘するため雨の夜の街に「ペンタックス67」を立てる。何日もチャンスを待って白黒フィルムで光と影を捉える。フィルムから直接現像して手を加えない。 普段はレジタルカメラで仕事をしているが、自分の作品世界はフィルムでしか表現できないと確信している。
個展をこなすうち、2006年、フランス国立図書館が6点買い上げてくれた。2009年、パリ市立カルナバレ美術館に12点収まった。2016年5月、ジャック・ルノワール(ルノワールの孫)を名誉会長とするフランス中部の古都ロモランタン・ラントネ市で開催された「春の写真祭」で県議会賞を受けた。
2016年からは、5月の東京表参道のニイク・ギャラリーでの初個展を皮切りに、2017年の、三重県菰野のパラミタミュージアムの個展等、日本での活躍もはじまっている。
1951年 | 大阪生まれ |
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1976年 | 東京デザイナー学園卒 |
1979年 | フランスへ渡る |
1989年 | カメラマンとして活動開始 |